静岡県磐田市の税理士
大井 瑛里佳 です。
毎年10月になると最低賃金の改定があります。
今回は最低賃金についてのお話です。
最低賃金とは?
最低賃金とは使用者(事業主)が労働者に対して支払われなければならない
賃金の最低額を定めた制度です。
仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めた場合でも法律によって無効とされます。
したがって最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、
使用者は労働者に対してその差額を支払わなくてはなりません。
地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、
罰金が課せられますので、必ず守りましょう。
最低賃金改定の対象となる人は?
地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など雇用形態や呼称に関係なく
すべての使用者と労働者が対象となります。
例外として一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、
最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、
一部の労働者については個別に最低賃金の減額の特例が認められていますが
使用者が都道府県労働局長の許可を受けることが条件なので
基本的には全員対象と考えておいた方がいいです。
令和4年度の最低賃金はいくら?
令和4年度の最低賃金の改定についてはこちらからチェックできます。
ちなみに静岡県は913円→944円に改定されています。
だいたい毎年9月ごろ改定されますので
この時期になりましたら、チェックする習慣をつけておいた方がいいです。
最低賃金の改定で会社がやること
賃金の改定対象者がいるかチェックする
地域別最低賃金は時給で記載されていますので
日給や週給、月給など対象賃金額を時間額に換算して
適用される最低賃金の額と比較します。
労働条件通知書を交付
最低賃金の改定により、賃金を改定する必要のある労働者がいる場合には
労働条件通知書の賃金を変更し、労働者に交付します。
使用者は最低賃金を労働者に周知する義務があるのでお忘れなく!
給与ソフトの賃金額を変更する
給与ソフトを使用して給与計算を行っている場合
社員情報登録で時給や週給、月給があらかじめ登録してある場合が多いので
給与ソフト内の登録内容の変更を行いましょう。
社会保険の随時改定を検討する
社会保険に加入する労働者で
最低賃金の改定により固定的賃金が2等級以上改定される場合には
月額変更届を年金事務所に提出し、社会保険料の改定が行われます。
月額変更届の提出のタイミングが特殊で少し期間があくので
随時改定対象となるかの検討を忘れずに行いたいものです。
資金繰りの影響もお忘れなく
最低賃金の改定されるということは
労務費が増額するということです。
労務費は固定費といって売上の増減に関わらず一定の金額が発生しますので
資金繰りに与える影響も大きいです。
資金繰り表の労務費を最新のものに変更し未来のお金の流れを把握しておきましょう。
私はいまひとりでやっているので従業員さんがいませんが
毎年最低賃金の改定についてチェックし、お客様にご案内をしています!