電子帳簿保存法を分かりやすく!要件、対象は?

静岡県磐田市の税理士

 

大井 瑛里佳 です。

 

 

インボイス制度と同様に話題となっているのは電子帳簿保存法 です。

 

自分に関係するのかどうか分からないという方も多いと思います。

 

今回は電子帳簿保存法についてまとめました。

 

 

※令和5年10月時点の法令に基づいています。

 

電子帳簿保存法とは?

 

 電子帳簿保存法は、税務関係帳簿書類のデータ保存を可能とする法律で

 

電子帳簿保存法に関する制度は以下の3つに分かれます。

 

 

・電子取引の電子データ保存

 メールやインターネットを利用してやりとりした取引情報に係る

 データの保存義務があります。

 

 

・スキャナ保存(任意)

紙の領収書・請求書などは、その書類自体を保存する代わりに、
スマホやスキャナで読み取った電子データを保存することができる制度です。

 

 

・電子帳簿等保存(任意)

 税法上保存が必要な帳簿・書類を会計ソフト等で作成した場合に

 データのまま保存することができる制度です。

 

 

 

スキャナ保存と電子帳簿等保存については任意なので

 

導入したい方は導入してもよいですし、大変そうだという方は

 

導入しなくてもOKです。

 

 

それに対し電子取引に関しては義務、全事業者対象となりますので

 

今回は電子取引についてご紹介します。

 

 

電子帳簿保存法いつから?

 

電子帳簿保存法の改正は令和4年1月より施行されましたが

 

このうち電子取引の電子データ保存については

 

令和5年12月31日まで猶予期間が設けられていました。

 

この猶予期間が令和5年12月31日をもって終了するため

 

令和6年1月1日より対応が必須となってきます。

 

 

電子取引データの対象は?

 

電子取引の電子データ保存は

 

注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、

 

その電子データを保存しなければなりません。

 

 

簡単にいうと「データでもらったものはデータで保存する」ということです。

 

 

例えば以下の手段で取得した場合には電子取引に該当します。

 

・電子メール

 

・クラウドサービスの利用

 

・インターネットからのダウンロード

 

・EDI(ネットバンキング等)

 

・クレジットカード、スマホ決済、交通系IC

 

・FAX機能を持つ複合機

 

・DVD等記録媒体による取得

 

なお、紙で入手したものは紙で保存することができます。

 

こちらは受け取った場合だけではなく、送った場合もデータ保存が必要となるため

 

ご注意ください。

 

電子取引データの保存要件は?

 

電子取引のデータ保存の保存要件には

 

「真実性の確保」と「可視性の確保」があり

 

それぞれのルールを守る必要があります。

 

 

 

・真実性の確保

次のいずれかの措置が必要となります。

①発行する側がタイムスタンプを付与

 

②受け取り側がタイムスタンプを付与

 

③訂正、削除の履歴が残るシステムまたは訂正、削除ができないシステムを利用する

 

④訂正、削除の防止に関する事務処理規定を定めて運用する

 

上記のうち、④がもっとも導入しやすいです。

 

訂正、削除の防止に関する事務処理規定は

 

国税庁からサンプルをダウンロードすることができます。

 

 

 

 

・可視性の確保

 可視性の確保は以下の2つの要件を満たす必要があります。

 

 ・保存場所にパソコン、複合機等及びこれらの操作マニュアルを備え付け

  画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと

 

 ・検索機能を確保する。

  検索機能の確保については、ファイル名に「取引年月日」「取引金額」「取引先」を入れることで

  検索できるようにしておく必要があります。

 

  ただし、以下のいずれかに該当し、税務調査の際に電子取引データのダウンロードの求めに

   応じることができる場合には不要となります。 

 

 ・基準期間の売上高が5,000万円以下

 

 ・電子取引データを印刷した書面を取引年月日及び取引先ごとに整理された状態で

  提示提出することができるようにしている

 

 

  検索機能の確保が不要に該当しても、のちにデータを確認する機会がある場合に備えて

 

  検索できるようにしておくと便利です。

 

 

 

紙で保存されてきた方にとっては難しく感じると思います。

 

なるべく紙でもらうという選択もありますが

 

今後データのやりとりがますます増えてきますので

 

いまのうちに慣れておきましょう。

 

 

税制改正がある場合には

 

あらかじめお客様には資料作成していますので

 

事前に対応できて安心していただけます。

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